私の流儀

専門性 ープロフェッショナリティー

専門性については、過去のキャリアに触れる形でご説明しておきます。

その1 大学までは理科系で

 仕事に就くまでは、研究者コース(東京大学工学部応用物理)にいて、
 大学では量子力学の応用分野を扱う研究室でナノスケールの物性研究をしていました。

(この学科、隣は「量子テレポーテーション」の研究をしている研究室があったり、
 オーソドックスな分野ながら、いろいろと面白いことをやっているところでした。)

 ただ大学時代はサークル(テニス)の活動や運営に打ち込んでいたこともあり、
 そのまま人や組織に関わる仕事につきたくなって、卒業後に公認会計士試験を受けました。

 で、会計士業界に入ると理系出身はそれなりに珍しいこともあり、
 情報技術(IT)分野を専門にするようになっていきました。

 資格も管理系から技術系まで、
 CISSPシステム監査技術者CCSKCOMPTIAITコーディネーターCSACISA
 といったものを取得して、

 そのまま公認会計士協会でもIT分野の専門委員を何年か務めたり、
 システム監査学会で登壇させてもらったり、クラウドセキュリティの業界団体で、
 WGに加わったり、アカデミーの国際法務分野の講師をしたりもしました。

その2 初めの仕事は公認会計士

 ということで、20代最初の仕事は公認会計士だったのですが、
 当時の時代性もあって、やや変わった分野に携わり続けてました。

1:最初の仕事は、監査手法の改革

 監査法人に入った2000年代前半は、小泉/竹中政権下で
 「金融ビッグバン」「会計ビッグバン」による法改正、制度改革の真っ最中で。
 業界ルール/会計・監査手法の「国際化(=アメリカ化)」が進んでいたんですね。

 そんな中、上場会社から比較的大きなオーナー(非上場)企業、
 上場準備会社や学校法人、地方公共団体の監査・コンサル業務に関わりながら、
 国際ルール/海外のプラクティスを調査して、新たな手法を組み上げる活動をしていたら・・・

 数年で「研究開発室(監査法人のR&D部門)」の責任者をやることになりました。

 業界では先端分野でもあるので調査にかこつけて海外のカンファレンスに参加したり、
 ビッグ4の関係者と情報交換したりと、ちょっとキラキラした(!)時間を過ごしました。

世界各国で行われるアウトリーチのカンファレンスなどに参加

 ちょっと業界用語もを交えて話すと、
 監査のプラクティスについては、国際標準の「リスクアプローチ」を徹底させて、
 会計情報のデジタル化に合わせて「IT技術を用いた監査手法」を導入すること。

 会計ルールについては、いわゆる「時価会計」、将来のキャッシュフロー予測を取り入れた、
 後の「国際財務報告基準(IFRS/当時は国際会計基準)」につながる流れへ対応すること。

 この辺を国際的/歴史的な事情を含めて、監査法人内部にフィードバックし、
 新たな「方法論(メソドロジー)」と「実践術(プラクティス)」をデザインするのが最初の仕事でした。

2:結実した後は、あちこちでセミナーを

 この活動は2008年施行の「新・会社法」「金融商品取引法」下での、
 内部統制報告制度(いわゆるJ-SOX法)への対応へと、タイミング良く結実しました。
 もともと問題意識を持って活動したところに、法改正が追いついてきたのです。

 これは良く考えると必然、でも実感としては偶然という感じで。

 「こういうこともあるんだなぁ」と思いつつ、会計の業界が、
 「日本の上場企業全てにIFRS強制適用か!?」みたいな騒ぎになった時には、
 あちこちでセミナー講師に呼ばれるようにもなって行きました。

 これは「第2のキラキラ期」だったのかもしれません(笑)

 ちなみにこういう活動って、大手の監査法人だと、
 提携先海外事務所マニュアルのダウンロードで終わるので(ある面で羨ましい・・・)、
 そのプログラムを組み上げる上での内情を語れる人っていなかったりするんですよね。

 ところが当時いた事務所は、これを独自に手探りで情報収集して、
 最後は自分たちの意思でやり方をデザインするというハンズオン型の対応をしてたので、
 悩みどころや苦労どころ、陰謀論(!)等、話せることもたくさんあったのです。

 この時期は、銀行や証券会社さんなどでもたくさん話しましたが、
 一番面白かったのは、オービックさんでのシリーズ公演でしたね。

 会社の方とコラボレイティブに企画を作り上げるようになってきて、
 東京ドームにシーガルス(アメフト)の応援にも行かせていただいたりしました(^^)

その3 個人でコンサル活動も

 そんなことをやりながら色々サイドビジネス(?)も。

 1:コンサルファームのコンサルティング

 ちょっと目立つようになると、いろんなオファーをいただくようになり、
 中でも面白かったものは、プロ向けの教育研修活動でした。

 流行りの国際人材のトレーニングの一環として、
 「国際的な会計対応」や「グローバルでの監査」の講座を持たせてもらったり、

 某コンサルで「J-SOXコンサルタント」「IFRSアドバイザー」を育成して、
 監査法人との具体的な交渉ポイントまで含めて教えたり、

 ディールのまとめ方や、株式/企業価値評価の基礎を教えて、
 「M&Aコンサルタント」や「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」の育成に携わったり。

 この辺は、ハンズオンでコンテンツを作っていくのは大変でしたが、
 「新しいことをやりたい人を支援する」というのは、とてもやりがいのある仕事でした。

2:環境系ソーシャルベンチャーの経営も

 あとは友人の付き合いの中で、ソーシャルベンチャーの立ち上げにも関わりました。

 山梨県で大学の先生方と連携して立ち上がった、
 地方での「新しい暮らし方/生計の立て方」と
 「環境保全/教育啓発活動」を両立させるベンチャー。

 環境活動向けの投資ファンドからの支援
 (当時はCSR、今ならESGやSDGs系ですかね)も受けつつ、
 また「地域おこし協力隊」という政府の地方活性化活動とも乗り合って、
 さまざまな事業を回し、活動をまとめた出版もしました。

 このベンチャーは、すでに活動は完了させてしまったのですが、
 当時の仲間は専門を磨き上げて、今もそれぞれの分野で活動をしています。

3:M&A、国際法務、知的財産契約への関与

 そんなことをしながら、ロースクールにも通っていたのですが、
 こうなると、徐々に法律分野の依頼も出てくるようになって。

 さすがに紛争性があると、弁護士資格がないとマズいのですが、
 M&Aや知財の契約をまとめたり、交渉にお付き合いするくらいならと、
 海外の弁護士とあれこれやり合ったりしている時期がありました。

海外出張の時のホテルのロビー。よくここで待ち合わせをしていました。

 というのも、それほど大きくない企業の国際的なディールとかって、
 予算的にも国際案件を扱えるようなお高い大手法律事務所に頼むわけにも行かず・・・ということで、
 多少、英語と法律のできる個人の公認会計士に相談が来ちゃったりするんですよね。

 とはいえ私も「多少」だと不安なので、この時期は海外の大学等にも籍を置いて、
 英語のブラッシュアップをしたり(その間は仕事はリモートで)もしておりました。

海外で授業の合間に滝に打たれに行くの図

その4 で、今は弁護士です。

 そんなこんなでいろいろやりながら、
 とあるタイミングで司法試験を通過したので、
 今は対外的には「弁護士」を名乗っています。

 関与する案件としては、公認会計士ということもあって、
 個人よりのところとしては「相続関係」の相談がやや多めですかね。
 
 あとは、私自身が事業に関わってきているので、
 そういうところでメンタリティの合う企業や事業主さん向けには、
 特定のメニューというより、コンサルチックに、
 ハンズオンでのオーダーメイドサービスをしています。

 あとは、諸事情で薬物等、
 依存症関係のバックグラウンドのある事件に詳しいので、
 その分野の刑事弁護も行っているところです。

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